会長挨拶

第140回西日本整形・災害外科学会学術集会
会長 津村 弘
大分大学 理事・副学長、医学部整形外科学教授

 第140回西日本整形・災害外科学会を、令和2年11月14日(土曜日)・15日(日曜日)に、大分県別府市にて開催させていただきます。私事となりますが、平成17年に大分大学の教授を拝命し、平成24年に第124回の本学会を開催させていただきました。定年までの期間を勘定すると第124回が最初で最後と思っておりましたが、巡り合わせにより70年におよぶ長く歴史と伝統のある学会の140回目の学術集会を開催させていただくことを、たいへん光栄に思っております。

 昨年末に確認された新型コロナウイルス感染症は、急速に世界中に拡大し、今なお多くの犠牲者を出し続けています。私たちの行動変容は余儀なくされ、感染拡大防止の観点から、この学会も第139回は誌上開催となりました。周到な準備を重ねられていた産業医科大学の酒井昭典教授におかれましては、さぞ断腸の思いであったろうと推察いたします。第140回の本学会も、国内での感染拡大の状況によっては、例年通りの開催は難しいかもしれませんが、現時点では通常開催に向けて準備を進めているところです。

 さて、本年秋には、小惑星探査機の「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」より地球に帰還します。2010年に多くの困難を乗り越え、地球への帰還を果たし、国民に感動を与えた「はやぶさ」の1号機のプロジェクトリーダーを務められ、現在JAXAのシニアフェローであられる川口淳一郎先生に、特別講演をお願いいたしました。新型コロナウイルスに悩まされ続けている日常ですが、広く宇宙に目を向け人類の夢を心に取り戻すきっかけになれば幸いです。

 医学系の特別講演は、東邦大学名誉教授の勝呂徹先生には、アジア人向けの人工膝関節の開発経緯をお話しいただき、また、教育講演として、東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻 臨床疫学・経済学教授の康永秀生先生には「リアルワールドデータを用いた臨床研究の組み立て方」というタイトルでお話しいただきます。どちらも、将来の私たちに有用な内容となると思います。

 最先端医療を知るという意味で、「ゲノム医療・精密医療による肉腫治療のパラダイムシフト」というタイトルでシンポジウムを組ませていただきました。シンポジストは、東京大学大学院教授松田浩一先生、国立がん研究センターセンター長の川井章先生、東京大学大学院特任講師野村尚吾先生、九州がんセンター室長の織田信弥先生の4名です。来るべきゲノム医療、精密医療の可能性や今後の展開などについて、感じ取っていただければ幸いです。特に次世代を担う若い先生方はぜひ参加していただきたいと思っております。

 ほかにも、ランチョンセミナー7題、アフタヌーンセミナー3題、イブニングセミナーを1題準備しております。主題は、「人工関節の最新の知見」と「脊椎脊髄外科の近年の進歩」としております。主題の一部は一般演題からも採用する予定です。

 新型コロナウイルス感染症が終息していることを、願うばかりでございますが、感染予防対策にも力を入れて準備をいたしますので、たくさんの演題の申し込み、並びに学会へのご参加の程、心からお願い申し上げます。